博多区店屋町「あおぞらブルワリー」は、自家醸造のクラフトビール専門店です。博多区千代でゲストハウスを営むオーナー夫妻が、近くにあるブルーパブ（店内で醸造したビールを提供するパブ）「あすなろブルワリー」で飲んだクラフトビールのおいしさに感動し、自家製ビールを提供するお店を始めることを決意。「あすなろブルワリー」の協力を得て、2022年7月に「あおぞらブルワリー」がオープンしました。

店舗は系列店の居酒屋「博多 酒佳蔵」の2階。白と木を基調に、「ルイスポールセン」のペンダントライトやブルーのタイルがアクセントになった店内は、まるでカフェのようで気軽に入りやすい雰囲気です。スタンド形式のカウンターのほか、テーブル席もあります。

クラフトビールを提供するお店は数多くあっても、店内に醸造所をもつ「ブルーパブ」はごく一部。この場所で約2～3週間かけて「あおぞらブルワリー」オリジナルのビールがつくられています。ずらりと並ぶビールタンクを眺めながらお酒を楽しむのもいいものですね。定番のオリジナルビール4種のほか、季節限定のビールも。また、交流のあるブルワリーのゲストビールも3種前後提供されています。

まずは、期間限定の「TENYA Misty Tuesday」(ハーフ 650円)から。スタイルは、IPA（インディア・ペール・エールの略。ホップを多く使って作られ、苦みとすっきりとした後味を楽しめます）を、アルコール度数を抑えて飲みやすくした「セッションIPA」。柑橘のような味やパイナップルのような香りが楽しめる華やかな一杯。アルコール度数4.5％で、軽めの飲み口です。

料理はホテル出身のシェフが手がける洋食が中心。ビールのお供の定番「フィッシュ＆チップス」（780円）は、タイやヒラメを中心とする白身魚のフライの衣に自家製ビールやメレンゲを加え、サクフワの食感に仕上げています。ビールの原料であるモルトを使った「モルトビネガー」やタルタルソースをかけて味わいましょう。ホクホクのポテトフライと交互にほおばれば、ビールが進むこと間違いありません。

「ラムチョップ グリーンマスタード風味」（1,200円）は、ラム肉にタラゴンやバジルが入ったグリーンマスタードソースやナッツを載せてソテーしたシェフの自信作。しっかりとうま味を感じるラム肉に酸味のあるマスタードソースがよく合います。

ややクセのあるラム肉には、力強い味わいの「TENYA IPA」（ハーフ 650円）がおすすめ。IPAならではの苦みと香りが料理の味わいを一層深めてくれます。

醸造を手がける渡邊雄介さん。もともとビールを飲むことが好きで醸造家を志し、修業を経て「あおぞらブルワリー」の醸造責任者を任されています。「ビールは日々変化するので、作業はすべてビール次第。品質やスケジュールの管理が製造の難しいところでしょうか。でも、自分のレシピで作ったビールをお客さまに飲んでいただけるのがうれしいので、工程のすべてを楽しんでいます」と渡邊さん。

ビールは、炭酸飲料を持ち運びできるボトル「グラウラー」（5,000円）などの容器に入れて、持ち帰りも可能。また、9月からは缶入りビールの販売もスタートします。おしゃれなデザインの缶は、旅行や出張のおみやげ、自宅への手みやげにもよろこばれそうですね。

気軽に入りやすく、クラフトビールの世界に一歩足を踏み入れるのに最適なお店です。できたてのメイドイン店屋町ビールを堪能してみてはいかがでしょうか。