2010年のオープン以来、多くのファンを引き付けてやまない「Bion（日音）」。門司港のカフェと言えば、真っ先にこちらを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

2019年にすぐそばの新海運ビルから現在の場所に移転し、お菓子工房を拡張したそうです。「Bion」といえば店主の寺井きよみさんが手がける焼菓子が有名。イベントに出店すれば行列ができ、毎週月曜にカートが開くオンラインショップも即完売するほどの人気です。寺井さんは幼い頃からお菓子作りが好きで、フランス料理・製菓の学校「ル・コルドン・ブルー」で学んだのちに「Bion」をオープン。調理師や野菜ソムリエ、フードコーディネーターなどの資格ももち、お菓子をはじめとする食にまつわる楽しみを提供しています。

店内では国産小麦や全粒粉、発酵バターなどの素材を使用して作られるマフィンやスコーン、クグロフなどの焼菓子がお出迎え。「焼菓子はクラシカルなレシピに、生産者さんから届く季節の素材を取り入れたものが多いですね。香りがたち、粉のおいしさを味わえるような焼き加減を意識しています」と寺井さん。

そしてネット販売やイベントでは出会えない、ケーキやタルトなどの生菓子を味わえるのも実店舗を訪れる楽しみ。フルーツをふんだんに使ったタルトやキャロットケーキ、ビクトリアケーキなどがショーケースに並びます。

テイクアウトはもちろん、木～土曜はフレンチアンティークが並ぶ店内で喫茶を楽しむこともできます。

「デザートプレート」（1,540円）は、好きなケーキ、本日のお楽しみデザート、ドリンクのセット。取材時は、フルーツタルトとキャロットケーキ、大分県「大神ファーム」のハーブティーを選びました。本日のお楽しみデザートはミニパフェやスコーン、マフィンなども用意されています。ドリンクはオリジナルコーヒーや和紅茶、カフェオレ（+110円）などを選ぶこともできます。

さくっとしたタルト生地と香り高いアーモンドクリームに旬のいちごがふんだんにのったタルトは、フレッシュな味わいと焼菓子の香ばしさを一度に楽しめて思わず顔がほころぶおいしさ。キャロットケーキはニンジンがたっぷり入ったスパイシーな生地とチーズクリームの相性が絶妙です。一度に2種類のデザートを楽しめる幸せなプレートでした。

クッキーもたくさんの種類が用意されています。小分けになっているので自分のおやつや手みやげにもいいですね。

クッキーはシンプルなものから犬や猫の形をしたかわいいものまでいろいろ。

また人気のクッキー缶は予約しておけばスムーズに受け取ることができます。さまざまなおいしさが詰まったクッキー缶は贈り物にもおすすめです。

2023年12月には寺井さんのレシピをまとめた本「門司港『Bion』の焼き菓子と季節のケーキ」も出版されました。お店で提供しているお菓子のレシピがそのまま紹介されているそうなので、再現に挑戦してみてはいかがでしょうか。

「世代も性別も問わず、さまざまな方に来ていただきたいと思ってカフェを続けています。遠方から足をのばしてくださる方、何気なく立ち寄る方、みなさんがアットホームに過ごせる場所でありたいですね」と寺井さん。誰もを温かく迎えるカフェで甘く幸せなひとときを過ごしてみませんか。