運行状況

JR九州と西鉄の観光列車が夢のコラボ! 4

両社で綿密にダイヤを調整

―なるほど、たくさんの方のご協力で成り立っているのですね。進められる中では、ご苦労もたくさんあったのではないでしょうか。


鯉谷:「A列車」は、昨年イベント列車として博多~田主丸間を走らせた実績があったので大丈夫だとは思っていましたが、ダイヤ調整が大変でした。
「レールキッチン」と大牟田駅で同時刻に着発させ、熊本からの回送列車を大牟田駅に停車させ昼のお弁当を積込み、希望する時間帯に博多駅に入線させるのに苦労しました。
博多駅は列車本数が多いのですが、新幹線が全線開業した際にホーム数が減ったため、臨時列車の停車時間を確保するのが非常に難しいのです。
西鉄さんにもダイヤ調整をお願いする等、様々な問題がありました。



小宮:初めは、お弁当の積み込みは博多駅・大牟田駅での停車中にすればいいだけだね、とか、大牟田駅では線路が並んでるから、一緒に走ったら絵になるね、と単純に考えていました。でも、本当に実行しようとすると、調整が大変でしたね。
大牟田駅での同時到着も、新栄町のあたりから足並みをそろえて走らなければいけませんし。



鯉谷:特に大牟田駅到着時は、新栄町で停車している「レールキッチン」が加速するところで、可能な限り並走となるよう「A列車」が速度を合わせなければならないので、非常に難しい運転となります。両列車の運転席に運転手に加えて担当者を乗せ、互いに連絡を取り合いながら運転します。こうした努力も実は見どころです。
他にも、工務社員は踏切で、駅社員は大牟田駅や三井化学で警備を行ってもらいます。いろいろな部署と力を合わせることで成り立っていますね。

ひとつのチームとして意見を交わし合う

―さまざまな調整にご苦労されたのですね。他にはどのようなご苦労がありましたか?

小宮:もうやると決めているので苦労という苦労はありませんでしたね。メンバーの中でやりたい思いが強かったので、悩む前に進もうという面が大きかったです。


鯉谷:やれるかどうかを悩むのではなく、やるためにはどうするか、という思いで頻繁にやり取りを行いました。朝出社してメールを確認すると、小宮課長や担当の方係長からのメールで埋まってしまうほどでした。



小宮:大牟田市さんだけではなく、たくさんの方がかかわっていただいているので、様々な調整が必要でした。当日お客さまにお渡しする記念乗車証も、デザインや仕様に関して現在JRさんと議論している真っ最中です。(8月26日取材当時)


鯉谷:会社が違えども、忖度なしで意見を交わし合うことができたように思います。会社対会社というより、ひとつのチームという感じですね。



小宮:そうですね。A列車のお弁当も一緒に今回限りの包装紙を考えたりしましたね。



鯉谷:いや、包装紙どころか、「A列車」でお弁当を提供していただく料亭「新みなと」さんは、はじめ西鉄さんに紹介していただいたんですよね。



小宮:もともとわたしは観光担当の部署だったので、少しつながりがあり、ご紹介しました。