プロの料理人御用達、鮮度のいい食材が揃う「柳橋連合市場」の一画に2022年9月末に開店した「食堂 光（みつ）」。オープンしてすぐにおいしさが口コミで広まり、お昼時には行列ができるほどの賑わいを見せています。

それもそのはず、こちらのお店は、市場内にある1930（昭和5）年創業の「仲西鮮魚店」が直営する飲食店。目の前にある鮮魚店から新鮮な魚が食堂に届けられています。

「先代の父が生前、『おいしい魚を食べてもらえる食堂を市場に開きたい』と言っていたことがずっと頭にあり、その思いを叶えるためにこの店をオープンしました。店名の『光』は、市場の皆さんに“みっちゃん”と呼び親しまれた父の名前から一文字を取っています」と代表の仲西慶紘さん。温かな気持ちが形になった店舗はブルーを基調にしたおしゃれな雰囲気で、市場内でひときわ目を引いています。

目の前の店舗から運んできた魚をすぐに刺身にして提供するライブ感も鮮魚店直営ならではですね。

お昼の一番人気は「海鮮丼定食 特上」（1,800円）。器から零れ落ちそうなほどに7種の刺身が盛られた豪華な一品です。刺身は仕入れによって異なり、この日はサーモン、ブリ、マグロ、ヒラメ、アジ、タコ、サーモン、エビの7種にイクラまで！ 醤油、刺身醤油、ごまだれの好きなものをかけていただきます。「店で余った魚を食堂に回すことは絶対にしません」と仲西さんが語るように、言うまでもなく魚の鮮度は抜群。とろけるようなマグロ、脂ののったブリ、上品な味わいのヒラメ、プチプチとうま味が広がるいくらなど、さまざまな刺身を楽しめるのもうれしいポイントです。

茶わん蒸しや小鉢、赤だしも丁寧に作られていることがわかる味わい。この日は1月だったこともあり小鉢は数の子でしたが、普段は以前販売していて人気が高かった魚の南蛮漬けやイワシ煮などが多いそうです。

そして、海鮮丼を注文するとカツオ出汁とお茶を割った「追い茶」と海苔が提供され、好みに応じてお茶漬けにして楽しむことができます。お茶よりも味わい深く、出汁よりもあっさりとした「追い茶」で最後の一口までサラサラとおいしくいただけました。

そして、仲西さんの奥さまが試作を重ねて完成させた「光プリン」（通常350円、ランチタイム100円）もぜひ味わって欲しい一品です。卵の味がしっかりとするとろ～りなめらかなプリンにほろ苦いカラメルがかかって、専門店のようなおいしさ。食事をする時のおしぼりにはくじの仕掛けがあり、当たりが出ると、このプリンをプレゼントといううれしいサービスもありますよ。

そのほか、お昼は刺身5種の「海鮮丼定食 上」（1,000円）や「刺身定食」（上1,200円、特上2,000円）、「さばみりん定食」（900円）、「銀鱈みりん定食」（1,300円）などの定食メニューがあります。

白木とブルー系で統一したすっきりとした店内。食器類はモダンな雰囲気の波佐見焼が選ばれています。初めてでも訪れやすい雰囲気で、特に女性の来店者が多いそうです。

料理長の重見仁志さんは、先代の頃から仲西鮮魚店を贔屓にしていた料理人。このお店を開くことが決まった時、仲西さんが真っ先に声をかけたほどの腕の持ち主です。「昼はお待ちいただくこともありますが、夜は寿司と天ぷらを中心に刺身や一品料理などをゆっくり楽しめます。ぜひお越しください」と重見さん。

天神や博多からのアクセスもいいので、旅行者の来店も多いそうです。お昼は平日でもウェイティング必至ですが、おいしい海鮮丼を楽しみに訪れてみてください。