太宰府市と筑紫野市の市境となる原（はる）に2021年7月にオープンした「HALU STORE（ハルストア）」。カフェ営業のほか、洋服や雑貨の販売を行う一軒家のお店です。西鉄二日市駅や西鉄太宰府駅からバスでアクセスしやすい場所にありますよ。

もともとは、たばこや駄菓子等を販売している商店だった建物をリノベーションしたお店にはその面影が残り、おしゃれでありながらどこか懐かしい雰囲気が漂っています。

お店を切り盛りするのは、太宰府市出身の裕美（ひろみ）さん。グラフィックデザイナーや子ども服デザイナーとして東京で働いていましたが、コロナ禍を機にリモートワークが可能となり、拠点を地元へ。現在もお店と並行してデザインの仕事を行っているそうです。「天神まで行かなくても、友達と集まったり、おいしいものを食べたり、時にはイベントを楽しんだり、そういう楽しい気持ちになれる場所が地元にあればと思い、このお店を開きました」と語ります。

大きなテーブルを囲む席や、外の自然を眺められるカウンター席があります。デザインの仕事で海外を訪れることが多かった裕美さんは、行く先々でその土地ならではのカフェで過ごす時間を楽しんでいたそう。お店を開く際に、参考にしたのはアメリカのポートランドにあるお気に入りのカフェ。近所の方、旅行者どちらにも愛されていて、自然と交流が生まれるような居心地のいいカフェだったそうです。

お手本にしたカフェと同じく、いまでは「HALU STORE」も地元の方から観光の方までが集まる人気のお店に。「カフェじゃなくて公民館みたいと言われることもあるんですよ」と裕美さんが笑うように、特に地元の方のリピート利用が多く、コミュニティの場となっているようです。取材時も同席したお客さまがお店のことやメニューのことを教えてくれるなど、地域に愛されていることを感じました。

「ちくしの野菜のごちそうサラダ」1,700円 〜（ドリンク付き／※人気メニューのため現在は完全予約制で、月に２〜３回程度の提供）も、そんな交流から生まれた一品。カフェを訪れた筑紫野市「やひろ農園」の方との出会い、この野菜のおいしさを広めたいと思い考案されました。「やひろ農園」の、アスパラをはじめとする多彩な野菜の収穫に合わせて登場する不定期メニューで、数に限りがあるためInstagramのDMからの予約制です。毎回、予約がすぐ埋まる人気メニューなので、Instagramをこまめにチェックしてみてくださいね。夏は葉物の収穫が減るため、アスパラピザなど野菜を使ったピザが登場する予定です。

サラダに使う野菜はなんと20種類以上。生のまま、ロースト、ボイル、マリネなど野菜のおいしさを一番引き立てる方法で調理されています。取材時はなかったのですが、「やひろ農園」の野菜の販売も行っているそうですよ。

取材の際にオーダーした「ちくしの野菜のごちそうサラダ」は、新玉ねぎやジャガイモのロースト、茹でそら豆、キャロットラペ、生＆焼きアスパラ、エディブルフラワーなどが彩りよく盛られていました。三瀬産ソーセージや玄米パンが添えられているのもうれしいですね。ひと口ごとに、野菜ってこんなにおいしいんだと改めて感じることができ、心も満たされる味わいでした。

セットのドリンクはコーヒーやカフェオレ、チャイ、ジュースなどから選べます。「はちみつレモンソーダ」は、爽やかな味わいで暑い時期にぴったり。コーヒーは、中煎りは薬院の「REC COFFEE」、深煎りは東京の「コフィノワ」のスペシャルティコーヒーが選ばれています。

お店の一角には古着や裕美さんがコラボレーションしたワークウェアなどの洋服や服飾雑貨、インテリア雑貨などのコーナーも。生地などを選べる洋服のオーダー会なども不定期で行われています。

居心地のいい空間とおいしい料理、そして集まる人々の温かさに触れられる「HALU STORE」。一度訪れたら、きっとまた行きたくなるはずです。