太宰府天満宮参道の突き当たり右手にある案内所を曲がった先、参道の喧騒から離れた緑豊かな国博通り沿いに「CoRicco Cafe（コリッコカフェ）」はあります。

ここは、イタリアの契約農家で作るエクストラヴァージンオリーブオイルの販売も行っているガレット専門店。木の温もりを感じる店内はアットホームな雰囲気で、靴を脱いで店内に入ります。オーナーの鎌田浩嗣さん、あみさん夫妻が「いらっしゃいませ」と笑顔で迎えてくれました。聞けば、この場所は家族３世代に渡って受け継がれてきた場所だそうです。

「ここは僕が幼い頃に暮らしていた実家であり、その後は書家である祖父のアトリエとして使っていた場所でした。僕がUターンで太宰府へ戻ってきたタイミングで、愛着のあるこの場所をより良い形で活かしたいと考え、2021年にカフェをオープンしました」。浩嗣さんがそう話すと、「Coは英語で“共に”。Riccoはイタリア語で“豊かな”という意味があります。心と体が喜ぶものでまずは自分を幸せに、豊かにして、それをたくさんの方々と共有していけたら…そんな思いを込めています」とあみさんも続けます。

「オリーブオイルの販売はカフェをオープンする前から行っています。2006年、祖父がイタリアで書の実演・寄贈を行ったことがきっかけとなり、父はシチリア食材の輸入販売を手掛けていました。そうした中で2014年に出会ったのが、現在の契約農家『Olio Provenzani（オリオ・プロベンザーニ）』です。オリーブの果実感があり、フレッシュでトロトロな“本物”のエクストラバージンオリーブオイルのおいしさをカフェでも伝えたい…その結果、オリーブオイルもよく合うガレットを看板メニューにすることに決めました」と浩嗣さん。

ガレットの生地に使うオリジナルの蕎麦粉は、もともと手打ちそばも提供していた参道の老舗「梅ヶ枝餅 やす武本店」のそば職人と共同開発したもの。ガレットに合う国産の蕎麦の実を厳選してブレンドし、石臼で丁寧に挽いてもらっているそうです。

木・金曜の9：00〜11：00、土・日曜の7：30〜11：00はモーニングメニューとして「あなたの朝ガレット」（1,300円、ドリンク付き）を提供しています。卵とチーズを包んだシンプルなガレットにサラダを添えたものがデフォルト。さらに写真のように、お好みで「無添加自家製ベーコン」（＋300円）や、「白トリュフオイルきのこソテー」（＋200円）といったトッピングも楽しめます。

驚くことに、自慢のエクストラヴァージンオリーブオイルはかけ放題！白トリュフ、レモン、ガーリック、バジル、チリとフレーバーも多彩です。オリーブオイルは1本120ml（1,250円〜）という使いやすいサイズから販売されているので、食べ比べて気に入ったものがあれば購入できるのもうれしいですね。

ガレットの表面はサクッと香ばしく、中はモチモチ。無添加自家製ベーコンのスモーキーな香りとうま味、トリュフが香るキノコソテーもよく合います。卵にトリュフフレーバーのオリーブオイルをかければさらに風味豊かに。どのフレーバーも甲乙つけ難いおいしさです。

取材時は「スペアリブ入りミネストローネ」（550円）もオーダー。じっくり煮込まれたスペアリブはホロリと柔らかく、ゴロゴロと入った旬野菜の滋味がじんわりと広がります。朝からこのスープを食べると、何だかパワーが湧いてくるようです。

食後、またはお土産にはオリーブオイルを使ったチーズケーキもおすすめ。写真の「レモンオリーブオイルのクリームチーズケーキ」（600円）は、爽やかな香りとなめらかでコクのある味わいがヤミツキに。仕上げにレモンオリーブオイルと塩をかけると、さらにおいしさが引き立ちます。

あみさんは現役のヨガインストラクターでもあり、毎週日曜は「ヨガ」、木・土曜は講師を招いて行う「書道」の朝活も実施しています。気になる方は問い合わせてみてくださいね。