2025年8月、福岡市中央区役所の向かいにオープンしたのは、“香港から逆輸入”と話題のスイーツパン「ティラミスメロンパン」と、香港定番のスイーツ「エッグタルト」の専門店。その名も「MOROBAAU（モーローバウ）」です。

ここは、福岡市南区市崎にある人気ベーカリー「MOROPAIN（モロパン）」の姉妹店。「モロパン」のオーナーシェフ・諸永裕二さんと、香港や中国で十数店ものパティスリーやベーカリーを手がける実力派パティシエ・松岡哲也さんのコラボにより誕生したお店です。

香港のローカルカフェのタイル使いを参考にしたという店内は、スタイリッシュ。テーマカラーのエメラルドグリーンが映え、ショーケースにはズラリと商品が並んでいます。

諸永さんと松岡さんは「モロパン」が2025年1月に香港店を出店したことをきっかけに出会い、香港店のために新商品を開発することに。そして生まれたのがメロンパンにテリーヌのようなティラミスをサンドした「ティラミスメロンパン」でした。

香港店で販売したところ「“ボーローバウ”の進化系だ！」と大行列を生み、1日300個が完売するほどの人気商品に。「ボーローバウ」はクッキー生地の亀裂がパイナップルの格子模様に見えることからその名が付いた香港発祥の菓子パンで、日本のメロンパンに似た存在。店名はそんな「ボーローバウ」と「モロパン」を組み合わせて生まれた名前だそうです。

ティラミスメロンパン（640円〜）は定番5種類と、旬の果物などを使う季節限定のフレーバー数種類が揃います。間に挟むティラミスは北海道産マスカルポーネチーズがベースで、フレーバーによってアレンジが変化。

ピスタチオペーストを混ぜ込んだピスタチオティラミスにはラズベリーシロップを、2種類のダークチョコレートを混ぜ合わせたチョコレートティラミスにはイチゴとラズベリーのシロップをパンに染み込ませるなど、それぞれ手が込んでいます。

王道はティラミスのコクとクリーミーさが滑らかに広がる「ティラミスメロンパン」（640円）です。「モロパン」特製のメロンパンは外がさっくり、中はしっとり。パンの断面に染み込ませた濃厚なエスプレッソシロップのビターな風味も相まってヤミツキになるおいしさです。

そして、もう一つの名物である「エッグタルト」（440円〜）も外せません。福岡店をオープンするにあたり、エッグタルトのパイ生地が進化。「モロパン」特製の天然酵母「サワードウ」で生地を仕込み、何層にも重ねて焼き上げることで驚くほどザクザクの食感を生み出しています。

こちらも定番5種類と季節のフレーバー数種類をラインナップ。コクのあるプリンのようなカスタードがとろける「サワードウエッグタルト」（440円）から、濃厚な抹茶の風味が広がる「抹茶エッグタルト」、紅茶の芳醇な香りがたまらない「アールグレイエッグタルト」（各460円）など、目移りしてしまいます。

さらに、10月からはエッグタルトの生地に卵黄で作るアパレイユ（液体状の生地）や野菜、ベーコンなどを詰めた「キッシュ」（480円〜）もお目見え。秋は和栗やイチジクを使ったフレーバーも登場するので、こちらもお見逃しなく。

テイクアウトBOXは1個・2個・3個入りの3サイズが用意されていて、手みやげにも最適。4種類の茶葉をじっくりと煮出した後、さらに一晩寝かせてからこすという本格的な「ミルクティー」（480円）と一緒に楽しむのもおすすめです。

「モーローバウ」のロゴイラストや店内の壁画は、「モロパン」同様に福岡出身のイラストレーター「mū（ムー）」さんが担当。思わず写真を撮りたくなるかわいらしさです。

日本と香港、パン職人とパティシエ、メロンパンとティラミス、それぞれの技術や魅力が組み合わさったハイブリッドな話題のスイーツを、ぜひ味わってみてください。