- おでかけ
- 2023/02/22 Wed.
別府鉄輪 地獄温泉ミュージアム<湯けむりたなびく別府・鉄輪温泉>(2)
春の訪れが待ち遠しいこの季節。身近な温泉地・別府でほっこり温まりませんか。福岡と別府・大分を結ぶ西鉄高速バス「とよのくに号」に乗れば、約2時間で別府に到着します。なかでも、まちのあちこちに湯けむりが立ち上る鉄輪温泉は、別府八湯のなかでもっとも温泉情緒にあふれるエリア。新しく誕生した、温泉を知るためのミュージアムや、鉄輪名物の地獄蒸しを使った料理やおみやげなどを紹介します。全4回の第2回は「別府鉄輪 地獄温泉ミュージアム」です。
新しい発見の連続!鉄輪温泉の歴史や文化に触れる
鉄輪温泉で注目を集めるホットスポットは、2022年12月にオープンしたばかりの「別府鉄輪 地獄温泉ミュージアム」です。温泉に入ることはよくあっても、どうやって温泉ができるのか、どんな風に温泉文化が発展したのかなどを知らない方も多いのではないでしょうか。
「別府鉄輪 地獄温泉ミュージアム」は、雨水が温泉水となる過程を、まるで自分が雨粒になったかのように疑似体験しながら楽しく学べる施設。かつて「別府地獄めぐり」の「金龍地獄」だった場所を活用してオープンしました。
「別府のなかに、温泉がどのように生成されるのか、また“地獄”の文化を知ることができる施設があればという話は、長年関係者の間で検討されていました。今回、地獄めぐりのひとつ『海地獄』を運営する当社が中心となり、ミュージアムを立ち上げました」と運営開発担当の柳川さん。
湯けむりをイメージして作られた大きな竹細工が印象的なエントランス。竹細工も別府を象徴するもののひとつです。ここから、温泉を知る旅がスタートします。
まずは「SCENE1 空からの贈りもの」。別府の山々に降る雨粒が地中深くに染み込んでいく様子を、映像を通してまるで自分が雨粒になったかのように体験することができます。雨水が温泉になるまでに要する時間は約50年! いま私たちが気持ちよく入っている温泉は、昭和まっただなかに降った雨水が温泉水に形を変えたものなんですね。
「SCENE2 50年もの地中の旅」では、50年という長い年月をかけ、雨水がどうやって温泉水になるのかを体験することができます。地中をイメージした迷路の各所に掲示された温泉トリビアを一つひとつ読んでいると温泉に関する知識が深まります。
また、「スタンプ集め」という楽しい仕掛けも。雨水がさまざまな成分を集めて温泉水になるように、迷路のあちこちにある湯けむりをイメージしたスタンプを押して「別府鉄輪湯けむり風景」を完成させます。いくつ押すのか、どこに押すのかは自由。最後には、どんな泉質の温泉水になったかを判定できます。
地中を進んだ先には湯だまりのような空間が。ゆらめく温泉水が次々と色を変える鏡張りのスペースは写真撮影にもおすすめです。
そして「SCENE3 人や文化との出会い」では、地中を抜けていよいよ地上に湧出する様子を映像で体験。また、鉄輪温泉の成り立ちや別府の温泉文化についても知ることができます。スクリーンの周りにある蛇口と桶の装飾もお見逃しなく。
企画展示ギャラリー「SCENE4 今、そして未来へ」では、2023年11月末まで「地獄祭」展を開催中。別府の大地や祖先に感謝と祈りをささげる祭りとして2021年に鉄輪地区で行われた「地獄祭」を映像や衣装で振り返る展示です。衣装を手がけたのは、ファッションデザイナーやクリエイティブディレクターとして活動し、東京オリンピックの表彰台ジャケットのデザインも担当した廣川玉枝さん。鬼を思わせるお面や衣装は圧巻の迫力です。
展示を見たあとは、併設の「50CAFÉ(フィフティカフェ)」でひと休み。「生産者の顔が見える」をコンセプトに、コーヒーやホットドッグ、スイーツなどを提供しています。別府や大分らしいものを集めた物販コーナーもあり、おみやげ選びにもぴったりですね。
スペシャルティコーヒーを使った「オリジナルブレンド」(500円)は、注文ごとにハンドドリップで淹れてもらえます。常時4~5種類のコーヒー豆が用意されていて、こだわりがうかがえます。「大分産いちご&ジャージー牛乳100% ミックスソフトクリーム」(550円)は、大分のブランドいちご「ベリーツ」と熊本県「オオヤブデイリーファーム」のジャージー牛乳を使ったソフトクリーム。いちごの甘酸っぱさとミルクのまろやかさがマッチしたこの季節の限定品です。
カフェから眺められる中庭には勢いよく噴気を上げる源泉が。展示を通して温泉の成り立ちを学んだあとに見ると、より一層貴重さを感じられます。
あまり気に留めることがなかった温泉のことを学ぶことができるミュージアム。鉄輪の温泉街を散策する前に訪れておくと、より一層まち歩きが楽しめそうです。
●別府鉄輪 地獄温泉ミュージアム
住所:大分県別府市鉄輪321-1
電話:0977-84-7858
営業:9:00~18:00(最終入場17:30)
定休日:不定
料金:高校生以上 1,500円、小中学生1,000円 ※「地獄めぐり共通観覧券」購入者への割引や、「海地獄」などとのセット券もあります ※カフェのみの利用の場合、入場料はかかりません。
アクセス:西鉄高速バス「鉄輪口」バス停より徒歩5分
ホームページ: https://jigoku-museum.com/
Instagram: @jigoku_museum
※記載している情報は2023年2月のものです。営業時間や定休日、価格は変更になる可能性があります。価格は特別な記載がない限り、税込みで表記しています。