カフェや雑貨店、レストランなど訪れたくなるおしゃれなショップの出店が相次ぐ大手門エリア。2022年2月に福岡市清川から移転オープンした「NEHA（ネハ）」もそんなお店のひとつです。

オーナーの白神優賢（しらがまさたか）さんは、兵庫県神戸市出身。大学卒業後にアパレルショップを開き、自身のブランドの立ち上げや音楽イベントの企画、舞台衣装のデザイン、アーティストのツアーに同行しビーガン料理の提供、カレー店の経営などを手がけてきました。その後、東京に拠点を移し同様の活動を行っていたなか、流行に左右されるアパレル業界から、次第に興味が移っていったのが普遍的な器の世界。淡路島に器や雑貨をセレクトした「NEHA」を開き、人気を集めました。その後、移住を考えた白神さんが選んだのは福岡市。「福岡のまちのサイズ感がちょうどよかった」というのが移住のきっかけになったそうです。

階段や手すりの造形が可愛いレトロなビルの2階に上がり、扉を開けるとそこに広がるのは白神さんのセンスがぎゅっと詰まった空間。器やグラスを中心に、オブジェや洋服、レコード、本、古道具などが並び、どれも気になるものばかりです。

「実用性ばかり求めたアイテムより、日常がちょっとでも楽しくなるようなデザインやユーモアの入った作品が好きです」という白神さん。流行りや人気、作られる場所などに左右されず、自身の体験から出会い、見つけてきたものを扱っているそうです。

ガラス作家・長町三夏子さんの作品。山梨の工房で作られる、色の組み合わせが楽しいガラス作品。カップやスプーンを販売しています。

千葉県で作陶する竹村良訓さんの作品。思いのままに練り込まれたカラフルな曲線がユニークです。

飲み物を注ぐと、ひょこっと飛び出る犬の顔がかわいいカップはスウェーデン出身のアーティスト、エレオノール・ボストロムさんの作品。

韓国のセラミックブランド「STEADINARY（ステディナリー）」のアイテム。優しい表情が描かれていて、見ているだけで笑顔になる作品です。

カラフルなものが多いかと思えば、重厚感のある作品も。こちらは長崎市の出島に工房を構える綿施和子さんの作品。偶然、工房の前を通りかかった白神さんが一目惚れしたという作家さんです。

デザインやセレクト、料理などさまざまなクリエイティブを手がける白神さん。自ら作陶も行い、個性溢れる作品を生み出しています。写真右の壁にかかった花器は試作段階とのこと。販売が楽しみですね。

「扱っている作品を『何に使うもの？』と聞かれることがよくあります。決められた用途はないので、考えることも楽しみながら自由な発想で取り入れてもらえるとうれしいです」と白神さん。頭を柔軟にして、「NEHA」の世界観を楽しんでみてはいかがでしょうか。

また、今年2月には以前「NEHA」があった場所（福岡市中央区清川1-11-15 1階）にビーガン料理専門店「WILL YOU CURRY ME？（ウィル ユー カリー ミー）」をオープン。自身もベジタリアンである白神さんが作るビーガン料理を楽しめます。店名に“カレー”と入ってますが、カレー店ではないそうですよ。

看板犬・フレンチブルドッグのルーディちゃん。人懐っこくてとてもかわいい子でした。

もともとは旅館だったというビルの2階にあります。明治通りと昭和通り、両方に面していますが、入口は昭和通り沿いにあります。この看板を目印に訪れてみてください。