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【福岡】さばたろう<福岡でおいしい“お米”を食べたい!>(1)

【福岡】さばたろう<福岡でおいしい“お米”を食べたい!>(1)

実りの秋、食欲の秋!新米も登場し、ご飯がおいしい季節です。近年福岡にはお米にこだわるお店が増え、人気を集めています。そこで今回はモーニング・ランチ・夜と3つの時間帯で楽しめる、注目のお店をご紹介。おいしいお米を求めて早速出かけてみませんか。全3回の第1回は福岡市中央区「さばたろう」です。

炊きたてご飯に絶品サバ!福岡で最高の朝ごはんを

福岡屈指の繁盛店「藁焼みかん」「赤坂こみかん」を手掛ける店主・末安拓郎さんが、2023年2月、満を持して開いたお店「さばたろう」。“さば”と名の付く通り、福岡名物のゴマサバや塩サバをはじめとした九州、福岡の味を朝の7時半から楽しめる一軒です。

お店があるのはアクセス良好な赤坂エリア。ビルの1階とは思えない立派な門構えとステンドグラスの看板、青い“サバ模様”の暖簾が目を引きます。

実家は久留米の米農家、修業先は創業約380年を誇る京都の料亭「道楽」という末安さん。「京都に根付く朝ごはん文化を福岡でも伝えたい」「福岡・九州の魅力を広めたい」「炊きたてのお米をたらふく食べられるお店を開きたい」という、かねてからの3つの思いがこうして形になりました。

アラカルトやコース料理を楽しめる夜の部は予約なしでも入れますが、朝食と昼食は専用WEBサイト(TableCheck)からの完全予約制です。朝食は7:30、8:30、9:30からの3部制、昼食は11:30からの1部制で、各時間一斉スタート。取材時は9:30の部にお邪魔しました。

店内へ足を踏み入れ、まず目に飛び込んできたのはまるで舞台のような厨房。備え付けられた“おくどさん(かまど)”には、佐賀県の「安楽窯」に特注した二重式の赤い土釜がずらりと並んでいます。

「おはようございます!」と、明るい笑顔で迎えてくれたのは店長の岩本航太さん。長浜鮮魚市場にある活魚センターでゴマサバに使う活き締めのサバを仕入れるなど、なんと朝の4:30から仕入れと仕込みをスタートするそうです。

土釜の蓋の穴から勢いよく吹き出す蒸気や炭火で焼き上げられる塩サバの香りにワクワク。手際よく準備を進める様子と“朝の台所の音”も、心地よく耳に届きます。

こちらが朝食メニュー「朝窯ごはん」(2,695円)です。久留米の伝統工芸品「井上らんたい漆器」のお盆に、佐賀県・伊万里焼「文祥窯」の茶碗、福岡県東峰村・小石原焼「マルダイ釜」の器、中心には糟屋郡志免町に工房を構える「博多曲物 玉樹」の重箱も。ご飯は一人一釜ずつの提供で、八女「江崎味噌」の味噌を使ったお味噌が汁添えられます。

土釜の蓋を取ってまず上段には、糸島や柳川など福岡県産の卵で作る玉子焼きと炭火焼きの塩サバが。塩サバは博多の老舗干物問屋「長谷川商店」で毎日作られている一品。注文ごとに塩漬けし、一夜干ししてお店に届けられるので、身はふっくらと脂のりがよく塩加減も絶妙です。

さらに下段には、みずみずしく香り立つご飯が!こちらのお米は、末安さんの実家・久留米市安武町で育てられている「拓ちゃん米(ヒノヒカリ)」です。末安さんも田植えから収穫まで携わっているそうで、11月上旬からは新米も登場しますよ。

続いて重箱の蓋を開けると、上段にはご飯のお供が勢ぞろい。自家製の明太子、博多の郷土料理・がめ煮、特製のちりめん高菜、さば味噌、佐賀の名店「川島豆腐」の冷奴、旬素材の一品……と、まるで九州、福岡の美味を詰めた玉手箱のようです。

そして下段には、角がピンと立ち、美しい銀彩を放つサバのお刺身も。紅色に輝く血合い、透明感とハリのある身が鮮度のよさを物語っています。

サバは卓上に置かれた土佐醤油につけて食べるのもいいですが、おすすめはやっぱりゴマサバ。小さな片口すり鉢に入ったゴマを自分で摺り、自家製のゴマだれを注いでサッとひと混ぜ。そこにサバをくぐらせて味わえば、もうたまらないおいしさです。

清らかな筑後川の水で育まれた「拓ちゃん米」は、ふっくらと弾力があり、粘りと甘味のバランスがいいお米。ゴマサバはもちろん、「拓ちゃん米」のぬかを用いた自家製のぬか漬けや柳川の一番摘み海苔との相性も抜群です。福岡県漁連を通して仕入れる高品質の塩たらこで作る自家製の明太子の粒感もたまりません。熊本の東肥赤酒などを使う漬け込みダレのうま味も相まって、ご飯がすすみます。

土釜の底のおこげは、スタッフさんが客席をまわり、ひと釜ずつしゃもじですくい上げてくれます。サッと土佐醤油をかけて味わえばお煎餅のような香ばしさ。八女「栗原園」のほうじ茶を注いでお茶漬けにするのもおすすめ。ご飯は1人1.2合・茶碗3杯分はあり、食べきれない分は包んでもらえるので安心です。

「〜素晴(サバ)らしい1日になりますように〜」と書かれた海苔の袋にもほっこり。店内の一角にはお店で使用している土釜や自家製の明太子、器、お茶などを販売するコーナーもあり、福岡土産も購入できます。

「福岡、九州の魅力を伝えたい」という思いが、食材、味わい、設え、接客にも息づく「さばたろう」。ちなみに現在は「よるたろう」として夜営業も行っているので、夜でも土釜炊きのご飯やおいしいサバ、九州の味を楽しめますよ。観光の方も地元の方もぜひ立ち寄ってみてください。

●さばたろう

住所:福岡市中央区赤坂1-5-11 アバンダント89 1F
電話:092-406-4388
営業:朝7:30〜・8:30〜・9:30〜、昼11:30〜(各時間、一斉スタート)、夜18:00〜22:30ごろ ※変動の場合あり
定休日:火曜
アクセス:西鉄バス「赤坂門」バス停より徒歩3分、「警固町」バス停より徒歩3分
Instagram:@sabataro2023

※記載している情報は2023年11月のものです。営業時間や定休日、価格は変更になる可能性があります。価格は特別な記載がない限り、税込みで表記しています。

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