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【福岡】鮹松月<ほっこり、あずきスイーツ>(1)

【福岡】鮹松月<ほっこり、あずきスイーツ>(1)

寒くなってきたこの季節、小豆を使った甘いものを食べてほっとひと息つきませんか。ぜんざいやどら焼きなど和菓子の甘味から、おしゃれなカフェのあんこスイーツまで福岡市内の人気店からおすすめを紹介します。全3回の第1回は福岡市中央区「鮹松月」です。

甘さと温かさに心が和む、和菓子屋さんのぜんざい

こだわりの食材を求める人からプロの料理人まで、多くの人が集まる“博多の台所”「柳橋連合市場」。最近は観光客も増え、活気にあふれています。

市場が形成された昭和初期の1935(昭和10)年からこの地に店を構える和菓子店「鮹松月(たこしょうげつ)」。季節の和菓子やおみやげ用のお菓子などさまざまな商品が店頭に並びます。看板商品は、毎日作られる杵つき餅。福岡はもちろん、関東や関西の料亭からも注文があるほど料理人からの信頼が厚い商品です。

現在は3代目と4代目が中心となって店を切り盛りしています。4代目の松尾和明さんは京都の名店で修業を終えた和菓子職人。その経験を活かして上生菓子を手がけたり、和菓子の講師として活動するなど、注目を集めています。

「和菓子を食べてもらう機会を増やしたい」と、今年から喫茶営業を始めたのも新しい試みのひとつ。約20年前にも3代目が喫茶をしていましたが、長らくお休みしていたそうです。店舗の2階にある空間は、創業当時は職人さんが寝泊まりしていた場所。建物の造りやディテールに歴史を感じる落ち着いた喫茶スペースです。

ステンドグラスの照明がレトロな雰囲気を一層引き立てます。また、窓からは市場の様子を眺めることもできます。

かき氷が人気を集めた夏のメニューが終わり、9月下旬からは秋冬のメニューがスタート。そのひとつが、寒い時期に食べたくなる和の甘味の代表格「ぜんざい」(750円 ※ほうじ茶付)です。北海道十勝産の小豆をじっくり炊き上げたぜんざいは、小豆の風味とほどよい粒感を楽しめる一杯。コクのある甘さととろりとした食感を楽しめる正統派の味わいです。

佐賀県産ヒヨクモチ米を使用した杵つきもちも入っています。朝ついたばかりのお餅はコシと粘りがあり、香りも抜群。香ばしく焼き上げた香りも食欲をそそります。漆のお椀にたっぷりと入っているため、食べ応えも十分。箸休めの柴漬けもうれしいですね。

秋冬の喫茶メニューからもうひとつ紹介します。「焼きもち」(1,200円 ※ほうじ茶付き)は、自分でお餅を焼いて味わう一品。お餅のトッピングは、8種類のなかから4種類を選べます。取材時は、つぶ餡、こし餡、栗粉(+100円)、博多明太子(+100円)を選びました。ほかに、ぜんざい、きな粉、磯辺焼き、からすみ(+200円)も用意されています。

表面に焦げ目がつき、ぷっくりと膨らんだら食べごろです。つきたてのお餅は焼き上がりが早いので、焼きすぎに注意しましょう。

トッピングをたっぷりのせていただきます。つぶ餡はこっくりとした甘さ、こし餡は上品な甘さとそれぞれの特徴を感じられます。栗に白餡を合わせた栗粉も秋らしい味わいでした。粒立ちのいい明太子はお店の向かいにある辛子明太子専門店「中弥」のものを使用しているそうです。

2階席のほか、1階でも甘味を楽しむことができます。

1階の壁に飾られている昔の包装紙も味わいがあります。戦中、砂糖が手に入らなくなった時期に魚の仲買をしていたことから店名に「鮹」が入っているそう。約90年の歴史を感じるエピソードですね。老舗でありながら新しい感性と出会える「鮹松月」で、この時期ならではの小豆スイーツをぜひ楽しんでみてください。

●鮹松月(たこしょうげつ)

住所:福岡市中央区春吉1-4-2 柳橋連合市場内
電話:092-761-5058
営業:9:00~16:00(売り切れ次第閉店)、喫茶10:00~16:00(OS15:30)
定休日:日曜、祝日
アクセス:西鉄バス「柳橋」バス停すぐ、「渡辺通一丁目サンセルコ前」バス停より徒歩2分
Instagram: @takosyougetsu

※記載している情報は2023年11月のものです。営業時間や定休日、価格は変更になる可能性があります。価格は特別な記載がない限り、税込みで表記しています。

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