テイクアウトグルメの定番といえば、手軽にパクッと食べられるおむすび。2022年11月に「西鉄久留米」駅のそばにオープンした「ときむすび」は、酵素玄米と白米のおむすび専門店です。久留米市中心部の桜の名所「小頭町公園」まで徒歩15分、川沿いに八重桜が咲く「池町川」まで徒歩5分の場所にあります。

BARの一角を間借りして10：00から営業し、1日100個限定のおむすびが売り切れ次第閉店となります。取材時も近所の常連さんがオープン直後からおむすびを求めて足を運んでいました。周辺にはオフィスも多く、平日は会社員の人が多いそうですよ。

お店を営むのは、久留米市北野町出身の堤内英里子さん。「ここのすぐそばで祖父母が約60年間、食堂を営んでいたんです。私も小さい頃からお手伝いに来ていたので飲食業は身近な存在でした」と堤内さん。会社員として働きながらも、いつか飲食店を開きたいという思いが心の中にあったと言います。「やりたいことは早くやったほうがいいと思い立ち、お店を開くことにしました」とオープンの経緯を教えてくれました。

堤内さんが注目したのは、その頃久留米市に専門店があまりなかったおむすび。健康志向の人々の間で話題となっていた酵素玄米をメインにしたおむすびを作ることにしたそうです。酵素玄米とは玄米に小豆、塩を加えて炊き、約3日間保温しながら寝かせたもの。それに加え、白米のおむすびもラインナップしています。

現在は約12種類のおむすびを販売。定番のおむすびに加え、毎月季節のおむすびも登場します。酵素玄米、白米ともにお米は北野町産を使用するほか、そのほかの素材もなるべく地元のものを使うようにしているそうです。

手前左から「紅鮭の塩麹漬け（酵素玄米）」（250円）、「味玉むすび（白米）」（250円）、奥左から「やましお漬け（酵素玄米）」（230円）、「枝豆ひじきちゃん」（190円）の4種を選びました。見た目も華やかな「紅鮭の塩麹漬け」と「味玉むすび」は1、2位を争う人気の具材とのことです。

早速公園でいただきます。おむすびのほかに八女茶やほうじ茶、豚汁なども販売していて、取材時は「ビネガードリンク 桃」（300円）を注文。程よい酸味とシュワッと爽やかなのど越しを楽しめます。

「紅鮭の塩麹漬け」は、酵素玄米の風味に合うように塩麹漬けにした紅鮭のまろやかな塩気が食欲をそそります。酵素玄米は一般的な玄米に比べてもっちりとして食べやすく、まるで赤飯のよう。「ときむすび」で食べたことをきっかけに酵素玄米のファンになった人も多いという話にも納得の味わいです。半熟の味玉が入った「味玉むすび」の白米は味玉の漬けダレと鰹節を混ぜたもので誰もが好きなおいしさ。枝豆入りのひじき煮を白米に混ぜた「枝豆ひじきちゃん」も健康的でいいですね。

なかでも堤内さんのイチオシは、10～4月頃の限定商品「やましお漬け」。久留米市北野町で栽培される「山汐菜」の漬物がたっぷりと入った酵素玄米のおむすびです。堤内さんが小さい頃から親しんできた「やましお漬け」ですが、北野町以外では知らない人も多いのだとか。このおいしさをもっと多くの人に味わってもらえたらと、取り入れているそうです。生産から漬物になるまで一貫で行う農家さんから直接仕入れる「やましお漬け」はシャキシャキの食感とピリッと辛い風味がおにぎりの具材にぴったりでした。

かわいいテイクアウトの袋に入れてもらえるのも気分がアップしますね。お花見前に立ち寄って、ピクニックを楽しんでみてはいかがでしょうか。