- 食べる
- 2024/08/19 Mon.
【宗像】山田製麺 こなみ<福岡で食べたい夏の麺>(3)
暑い夏に恋しくなるのは、ひんやり冷たい麺。冷水で締めたコシのある麺に冷たいつゆをかけた冷かけうどん、旬の桃を使った冷製パスタ、食感や味変も楽しい創作まぜそばまで、福岡の人気店が手がける個性豊かな夏の麺を紹介します。全3回の第3回は、宗像市の「山田製麺 こなみ」です。
つゆをごくごく飲み干す幸せ!夏の定番「梅冷かけ ちく天のせ」
ほてった体にスーッと染み渡る、絶品の「冷かけうどん」を食べたい!そんな時は、宗像市久原にある一軒へ。西鉄バス「王丸」バス停を降り、緑に囲まれた歩道を抜けた先にひっそりと、そのお店「山田製麺 こなみ」はあります。
「山田製麺」は、“製麺所の二代目”兼、国内外の麺を探訪し執筆を行う“ヌードルライター”として活躍する山田祐一郎さんが営む製麺所。そして「こなみ」は、妻の美智子さんが手がける季節のうどんと昼呑みのお店です。古民家を改装した店内は、どこか懐かしい雰囲気。ゆるりとした空気と出汁の香りが訪れる人を優しく迎えてくれます。
美智子さんはカフェを開きたいという夢から料理の道に入り、和食店などでも腕を磨いた経験の持ち主。祐一郎さんとの出会いによって「製麺所ってかっこいい!麺もいいなぁ」と、次第にうどんの道へ惹かれていったと話します。讃岐と博多、特徴が異なるうどん店でも修業を重ね、やがて2016年に福津市津屋崎で「こなみ」を開業。当時は祐一郎さんのお父さんの製麺所「宗像庵」で麺を作っていたそうですが、転機は2019年に訪れました。
「『こなみ』のおいしさをもっと引き出したい」そんな思いから祐一郎さんが家業を継ぐ決意をし、2020年には製麺所「宗像庵」があった現在の地に移転。
製麺所の屋号は「宗像庵」から「山田製麺」に改め、実家の一部を改装して「こなみ」の店舗を造り、店内に併設する形で新たな製麺所を構えました。麺づくりの技術や「安心安全な食を届ける」という先代の思いを受け継ぎながら、麺のさらなる品質向上を目指して素材や配合は一から改良。各地の小麦畑にも足を運んで研究した結果、福岡県産の小麦粉だけを独自にブレンドした「山田製麺 こなみ」のうどん麺が完成しました。
“やわゴシ”が自慢という麺はスベスベと滑らかな舌触りで、噛めばもっちりしなやか。冷水で締めればコシはさらに増し、口の中で踊るような弾力に。宗像市久原は古くから清らかな天然水に恵まれた土地で、麺に使う許斐山の伏流水もおいしさの秘密だそうです。
うどんつゆには木樽仕込みの本醸造醤油や天日塩、節類4種、利尻昆布などの天然素材を贅沢に使用。温めると香り高く、冷やすとうま味の輪郭がキリッと際立つ、風味豊かな味わいに引き込まれます。
夏の定番として毎年、初夏から9月頃まで人気なのは、揚げたてのちくわ天、自家製の梅干し、すだちなどをのせた「梅冷かけ ちく天のせ」(1,210円)。中央にトッピングされているのは、地元宗像の海士(あま)さんが収穫した新鮮な天然のアカモクです。「海みたいな出汁」と美智子さんが言う通り、ひと口食べれば上品なとろみと心地よい磯の香りがふわり。麺や具材のおいしさも相まって、最後の一滴まで飲み干したくなる爽快な一杯です。
この夏の新作「タロ豚のジャージャー麺」(1,320円)も9月頃までの提供で、特製の黒酢ダレをかけて味わいます。宗像の健康的な放牧豚「タロ豚」で作る肉みそは、脂のくどさがなくうま味たっぷり。生産者との繋がりはどんどん広がり、今では使用する食材のほとんどが地元・宗像産なのだそう。“タロさん”が育てる放牧豚に卵、無農薬米をはじめ、地元農家から届く有機無農薬野菜、鐘崎漁港の海鮮物など、産地直送の旬食材で「こなみ」のメニューは彩られています。
純米酒や「こなみのハイボール」といったお酒とおつまみも多彩に揃い、「昼呑みを目当てに福岡市内や遠方から西鉄バスに乗って来てくださるお客さんも多いんですよ」と美智子さんはにっこり。
店内には「山田製麺」の生麺やつゆ、調味料などの販売コーナーもあり、お土産までしっかり購入できますよ。この夏はぜひ、大人の遠足気分でバスに乗って出かけてみませんか?
●山田製麺 こなみ
住所:宗像市久原574-2
電話:0940-37-2316
営業:11:00〜15:00(OS14:30)、土・祝日〜16:00(OS15:30)
定休日:日・月曜 ※2024/8/20(火)は休み
アクセス:西鉄バス「王丸」バス停より徒歩12分
HP:https://conami573.stores.jp
Instagram:@conami573
その他:子連れ歓迎
※記載している情報は2024年8月のものです。営業時間や定休日、価格は変更になる可能性があります。価格は特別な記載がない限り、税込みで表記しています。
※「にしてつニュース」記事内の文章・画像の無断転載および加工・使用は固く禁じます。