運行状況

JR九州と西鉄の観光列車が夢のコラボ! 7

イベントだけでない、広い範囲での連携へ

―観光列車以外での連携とはどういったものを想定されていますか?


鯉谷:そうですね、大牟田の街づくりの面で一緒に協力するとか、イベントでの連携だけでなく広い範囲でつながっていけたらと思います。


小宮:今回は大牟田が舞台でしたが、もちろん違うエリアで開催してもよいでしょうし。


鯉谷:地域再生というのは簡単な話ではありませんが、人口の減少、高齢化が進む中で、交通事業者同士がパイが小さくなるところで張り合うのではなく、連携して地域に住んでいる人が便利だなと思える街にしてかなければいけません。沿線に住んでいただく方を増やし、学校や病院などを駅近くに誘致し、お年寄りの方も公共交通機関を利用してアクセスできるような、住みよいと感じていただける街をつくっていく必要があるのではないでしょうか。


小宮:街全体の交通ネットワークを考えていく必要がありますね。交通ネットワークはこうあるけれど、街のにぎわいとの重なりは適切か、交流人口や定住人口を増やす・維持するための移動をどう考えるか、など全体最適をいろんなエリアで一緒に考えるパートナーになっていけたらと思います。


鯉谷:これまでの競争だけの関係から、協力できる分野では手を取り合う方向に転換するタイミングではないでしょうか。もちろん、いい意味での競争は続けていかなければいけませんが。

「大牟田を盛り上げたい」という、共通の想い

―今回の対談の中では、会社が違うのに「ひとつのチーム」というのが印象に残りました。チームとして取り組めた原動力は何だったのでしょうか?

小宮:共通の思いがあって、大牟田を盛り上げたいという意識があって、というのが一番ですね。

鯉谷:やはり自分が育ってきた街が人口減少や高齢化、景気の低迷など、厳しい状況に置かれているから何とかしたい、という気持ちは大きいです。

しかし、日本はどこの街も厳しい状況だということに変わりありません。これからの日本を考えたとき、仕方がないとあきらめるのではなく、たとえ人口が半分になっても住みよく暮らしていて楽しい街にするためにはどうしたらよいか、自治体や地元の企業、鉄道会社が一緒になって考えていかねばならないと思います。私たち交通事業者同士が連携し、どんな街をつくりたいのか積極的に発言していけば、きっと素敵な街ができるのではないでしょうか。