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旦過市場の復興を応援!ノスタルジックな北九州の台所へ

旦過市場の復興を応援!ノスタルジックな北九州の台所へ

大正時代初期にはじまり、北九州の台所として長年親しまれている旦過市場。4月に大きな火災に見舞われましたが、現在は被害を受けなかったエリアは営業を再開し、復興に向けた動きが進んでいます。全体の再整備も進む旦過市場へ、応援の気持ちを込めて訪れてみませんか。

KOKURA堂

旦過市場の新名物!サクッとおいしいカレーパン

2021年7月にオープンした「KOKURA堂」は、カレーパンや揚げパンのテイクアウトを中心とするお店です。定番でありながら、専門店がオープンするなどブームの到来を感じられるカレーパン。市場での気軽な食べ歩きにもぴったりですね。

店頭のショーケースに並ぶ揚げたてのカレーパンは食欲をそそります。パンもカレーももちろん自家製。試行錯誤のうえ完成したパン生地は外側がサクッと内側がもちもちになるように材料の配合を工夫しているそうです。カレーは鶏ひき肉を使ったキーマカレーです。

ベーシックな「カレーパン」(250円)や辛みの効いた「大人のカレーパン」(250円)、チェダーチーズとモッツァレラチーズが入った「チーズカレーパン」(300円)、「半熟卵のカレーパン」(300円)の4種類を楽しめます。具材が惜しげもなくたっぷりと入っているので食べごたえも十分です。

甘いものが好きな方には揚げパンもおすすめ。「きなこあんパン」(200円)のほか、「カスタードクリーム揚げパン」(200円)が4月に登場しました。こちらも生地のおいしさとたっぷりのあんこやカスタードが楽しめる一品です。

かわいいテイクアウト用BOX(150円)も。揚げたてはもちろんですが、冷めてもサクッとした食感が損なわれることなくおいしくいただけるので、手みやげにもいいですね。「旦過市場の新名物になれば」と店長が語るように、“旦過市場に行ったらカレーパン”となる日も近いかもしれません。

6月からは昨年の夏に好評だったかき氷も登場予定です。17時からは小倉名物の焼うどんをはじめとする一品メニューを楽しめる居酒屋営業も行っているので、旦過市場でのちょい飲みを楽しんでみてください。

●KOKURA堂

住所:北九州市小倉北区魚町4-1-22 旦過市場内
電話:093-533-3288
営業:11:00~22:00 ※17:00~居酒屋営業、カレーパンは売り切れ次第終了
定休日:日曜
アクセス:西鉄バス「紺屋町」バス停より徒歩2分
Instagram: @kokura_dou

旦過うどん

懐かしい手打ちうどんと“おでんくん”に出会う

旦過市場の散策の途中に、ノスタルジックな雰囲気を楽しめる「旦過うどん」で腹ごしらえ。今年で創業37年目、先代から現店主が引き継いで21年目を迎えるうどん店です。

“う”の文字が隠れた暖簾もいい味を出していますね。創業当時からの味を守り、毎朝早くから手打ちするうどんを楽しめます。

ごぼう天うどん(600円)、おでん(1個160~180円)。うどんの麺はやや細めで、ふんわりとした食感。カツオ、昆布、イリコで取った深みのある味わいのダシが薄くスライスしたごぼう天のコクと相まって、一気に食べてしまうおいしさです。濃縮したダシの販売も行っていて、麺や鍋、おでんなど家庭料理が簡単においしく作れると評判です。

店頭で郷愁を誘うおでんの鍋の下には七輪があり、炭火でじっくりと煮込まれています。20種前後のネタがあり、人気は手作りの巾着やロールキャベツ(各180円)。持ち帰りも可能です。

餅とたっぷりのキャベツが入った巾着は、女将さんが毎日手作り。この店のおでんが、北九州市出身のリリー・フランキーさんの絵本「おでんくん」のモデルになったことから、おでんくんの焼き印が施されています。かんぴょうでぎゅっと縛った揚げの形はおでんくんそのものですね。

ダシや野菜、肉など食材の多くは旦過市場で仕入れたものが使われています。「旦過市場に集まるのは本当においしいものばかり。お店の人もお客さんもみんな元気で活気がある市場がずっと続いて欲しいですね」と女将さん。旦過市場と共に、この店の雰囲気も変わらず続くことを願ってやまないお店です。

●旦過うどん

住所:北九州市小倉北区魚町4-1-36 旦過市場内
電話:093-521-5226
営業:11:00~18:00
定休日:日曜 ※祝日は不定休
アクセス:西鉄バス「紺屋町」バス停より徒歩2分

BENNY'S COFFEE

競輪選手が営むコーヒー店は“旦過市場の休憩処”

懐かしい店構えの店舗が並ぶなか、スタイリッシュな外観がひときわ目立つ「BENNY’S COFFEE」は、2019年にオープンしたコーヒーショップです。店主・別所英幸さんは、20年以上のキャリアをもつ競輪選手。北九州メディアドームを拠点に競技生活を送りながら、店を手がけています。

午前中はトレーニング、午後はカフェでリフレッシュするという生活を送っていた別所さん。通っていた旦過市場のコーヒー店が閉店する際、市場にコーヒー店がなくなることは惜しいと自身で店を開きました。“旦過市場の休憩処”を目指しているという店内は、コーヒー好きの若い世代から、店舗2階の英会話教室に通う子どもたち、買い物途中のお年寄りまで、さまざまな人で賑わっています。

開店当初は仕入れていた豆も、現在はエスプレッソ用以外の豆はすべて自家焙煎しています。徹底した管理がなされた高品質のスペシャルティコーヒーを中心とし、注目を集める中国産やインドネシア産といったアジア産の豆も。自家焙煎コーヒーはドリップコーヒー(500円~)で楽しむことができます。

暑くなるこれからの季節には、「エスプレッソトニック」(500円)がおすすめ。エスプレッソとトニックウォーターのみで作られていると思えないほど、爽やかな酸味とフルーティーな味わいを感じられる一杯です。エスプレッソには、小倉南区「アスラン コーヒー ファクトリー」の豆を使用しています。

自家焙煎コーヒー豆やドリップバッグ、オリジナルカップも販売。コーヒー豆の袋にイラストを使う、店内で個展を行うなど、地元のアーティストを応援する取り組みも行っています。ブラジル産「さくらブルボン」の袋には、イラストレーター・アザネさんの絵が採用されています。

門司区出身の別所さん。「大人になって初めて旦過市場に来たのですが、こんなに人が集まって活気にあふれる場所があるのかと驚きました。市場にこの店があることで、さまざまな人の交流が生まれたらうれしいです」。

●BENNY'S COFFEE

住所:北九州市小倉北区魚町4-1-18 旦過市場内
電話:なし
営業:11:00~17:00
定休日:木曜 ※不定休あり
アクセス:西鉄バス「紺屋町」バス停より徒歩2分
Instagram: @bennys_coffee_

旦過市場

火災を乗り越えて、再び活気あふれる旦過市場へ

大正時代の初め頃、隣接する神嶽川の川岸にあった空き地で魚や野菜などの売り買いが始まったことを起源とする旦過市場。現在の建物は昭和30年代頃のものが中心で、ノスタルジックな雰囲気を醸すと同時に、老朽化が目立つようになっていました。2009年、2010年に起こった豪雨災害の影響もあって再整備の必要性の議論が行われ、2021年から土地のかさ上げや店舗の建て替えなどの再整備が始まっています。

今後は市場を4つに区分けしてブロックごとに工事が実施されます。段階的に工事が行われるので市場全体が閉じることはなく、工事エリアの店舗も仮店舗に移って営業を継続する予定です。

そして2022年4月に発生した火災は市場関係者をはじめ、利用する人々にも大きな衝撃を与えました。現在は通行規制が解除され、市場内を散策できるようになっています。また、被災した14店舗のうち4店舗は市場内の別の場所での営業を再開するなど、復興に向けた動きが進んでいます。

「たくさんの方々に励ましの言葉やご支援をいただきました。市場全体で助け合い、一日も早い復興に向けて取り組んでいます。どんな応援もありがたいのですが、やはり一番うれしいのは多くの方に足を運んでいただけること。ぜひ来て見て、変わらぬ活気を感じてください」と旦過市場事務局の田中さんは語ります。

また、再整備も予定通り進められています。「100年続いてきた市場がこれからの100年も続くように、未来を見据えた再整備です。対面販売や小さな店舗の集約など、現在の旦過市場をできる限り残しながら進めています。新しい建物もでき、飲食店や物販のお店など約130店が新しく増える予定です」と田中さん。今の旦過市場を応援し、そして新しい市場に期待しながら散策してみてはいかがでしょうか。

●旦過市場

住所:北九州市小倉北区魚町4-2-18(旦過市場事務局)
電話: 093-521-4140
アクセス:西鉄バス「紺屋町」バス停すぐ
ホームページ: https://www.tangaichiba.jp/

※記載している情報は2022年6月のものです。営業時間や定休日、価格は変更になる可能性があります。価格は特別な記載がない限り、税込みで表記しています。

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