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暮らしを彩るヴィンテージ&アンティーク案内

暮らしを彩るヴィンテージ&アンティーク案内

おうち時間が増える梅雨の季節。多くの時間を過ごす自宅に味わいのあるヴィンテージのインテリアを取り入れませんか。ヴィンテージやアンティークと呼ばれる古いものは、飾っておくだけで空間に奥深さを感じさせてくれると近年ますます人気を集めています。今回は、独自のセレクトが光る国内外のヴィンテージやアンティークを扱うお店を紹介します。

HIGASHIYA ART FURNITURE

アートを感じるヴィンテージアイテム

天神から西方面に向かう西鉄バスに揺られること約1時間。山間ののどかな風景が広がる早良地区に到着します。室見川にほど近い場所に位置する「HIGASHIYA ART FURNITURE」は、国内ヴィンテージアイテムを中心に扱っている店舗です。

店主の東直人さんは、福岡市にあるデザイナーズ家具やデザイン家電を扱うリサイクルショップでの勤務を経て独立。この場所は倉庫にしようと思っていたところ、噂を聞きつけて訪れる人が多かったため、店舗として営業することになったそうです。

店内に並ぶのは東さんが目利きしたさまざまなヴィンテージアイテム。家具や雑貨のほか、オブジェなどもあります。「売れるから作ったものではなく、作り手が“作りたいから作った”ということを感じるものを仕入れるようにしています」と東さん。その言葉の通り、店内に並ぶもののなかには大きなイルカのオブジェなど「こんなものが?」と思うようなユニークな商品もあります。

年代にはこだわらずセレクトしているなか、東さんが自然と惹かれるのは80年代のポストモダンと呼ばれるデザインのもの。カラフルな色使いや単純化された形状が特徴のポストモダンデザインは、懐かしくも新鮮な印象を受けます。「遊び心とおおらかさがあるところに惹かれます。懐古主義ではないのですが、私も80年代生まれなので小さいころの記憶が残っているのかもしれませんね」。

また、デザイナーの友人と共同で運営する「DERABLARE(デラブレア)」というプロジェクトでは、古いトランクやオブジェなどを使ったスピーカー、ライトBOXなどのアート作品の制作も行っています。アルミのトランクで作ったスピーカーは、イタリアのファッションブランド「GOLDEN GOOSE(ゴールデン グース)」のPRディレクターの目に留まり、イメージ映像に使われたことも。そのほかに、彫金の技術を生かし「EASTERN WIZARD(イースタン ウィザード)」という名前で、古いシルバー製品をリメイクしたアクセサリーも手がけています。

「アート的な感覚を使えることがこの仕事の楽しさ」と語る東さん。音楽にも造詣が深く、店内には小さなスタジオを設けています。「営業中に生バンドの演奏ができれば面白いと思って構想中です。ものを販売することにとどまらない活動を行い、この場所自体が変わり続けていくアート作品であればと思っています」。一度訪れると、東さんの穏やかな人柄と見るほどに興味を惹かれる品揃えにきっと魅了されるはず。ちょっと足を伸ばして出かけてみてください。

●HIGASHIYA ART FURNITURE(ヒガシヤ アート ファニチャー)

住所:福岡市早良区早良2-17-10
電話:080-4121-6923
営業:13:00~19:00
定休日:火・水・木曜
アクセス:西鉄バス「富士ケ丘」バス停すぐ
Instagram: @higashiya_art_furniture

Lille Nordic

洗練された北欧デザインのある暮らし

ヴィンテージインテリアの世界で変わらず人気を集める北欧の家具や雑貨。洗練されたデザインの家具や長い冬を明るく過ごすためのカラフルな雑貨、素朴な味わいの器は私たちを魅了してやみません。福岡市古門戸町「Lille Nordic(リル ノルディック)」は、ヴィンテージ北欧家具と雑貨のお店です。店主の山﨑哲央さんは、大学卒業後にものづくりの楽しさに魅せられ、木工の世界へ。技術専門校在学中に旅行で訪ねた北欧・デンマークで出会ったヴィンテージ家具に感銘を受け、いいものを次の世代につなぐ仕事がしたいと家具修復の道を志します。その後、ヴィンテージ北欧家具店でリペアの腕を磨き、2014年に「Lille Nordic」をオープンしました。

扱う家具は北欧のなかでもデンマークのものが中心。「デンマークは家具工場が多く、洗練されたデザインの家具が多い」というのがその理由です。この2年は現地に行くことが難しい状況ですが、以前は年に一度は現地で買い付けを行っていた山﨑さん。現在は現地のディーラーと相談しながら仕入れを行っているそうです。

1960年代頃に最盛期を迎えたデンマークの家具生産。約60年前に作られたとは思えないほどモダンなものが多く、今では貴重な素材であるローズウッドやマホガニーなど質の高い素材が用いられています。また、長く使うことを考えて作られているので、メンテナンスもしやすいそうです。山﨑さんは、長い年月を経た家具のぐらつきやキズなどを丁寧に修復し、新しい使い手へと届けています。

家具と合わせて楽しみたい雑貨はデンマークに加え、スウェーデンやフィンランドのものも豊富です。北欧らしい鮮やかな色の雑貨は飾っているだけで絵になりますね。

フィンランド「イッタラ」のアアルトベースやアンティ・ヌルメスニエミデザインのポット、デンマークのイェンス・クイストゴーデザインの食器など、北欧デザインを代表するアイテムから、温かみを感じる陶器、ガラス製品などさまざまなアイテムが並びます。

1967~2014年に製造されたデンマーク「ロイヤルコペンハーゲン」のイヤーマグは、毎年異なるデザイナーが手掛けた大胆な柄が印象的。生まれ年のものなどを贈り物に選ぶ方も多いそうです。

「ヴィンテージは数に限りがあるものです。以前は家具も雑貨も有名・無名を問わずいいものを多く仕入れられたのですが、最近は数が減り、価格も高くなってきています。すべてを北欧ヴィンテージで揃えなくても、日本のものとも相性がいいので組み合わせを楽しんでみてはいかがでしょうか」と山﨑さん。北欧ヴィンテージを取り巻く環境は年々変化しているので、気に入ったものがあれば早めに手に入れるのがよさそうですね。

また、山﨑さんは2020年にスパイスカレーと北欧&国内のクラフトビールを提供する「Lille Curry Bar」(福岡市大手門)もオープン。料理と共に北欧ヴィンテージの家具がある空間も楽しめるので足を運んでみてはいかがでしょうか。

●Lille Nordic(リル ノルディック)

住所:福岡市博多区古門戸町6-6
電話:092-409-5623
営業:土・日曜、祝日11:00~18:00
定休日:月~金曜 ※電話、インスタグラムのDM、HPから予約をすれば来店可
アクセス:西鉄バス「博多五町」バス停より徒歩2分
Instagram: @lille_nordic

Chandelle

花々とフランスアンティークが暮らしを豊かに

田園風景が広がるのどかな場所に店舗を構える「chandelle(シャンデル)」。約13年前のオープン時は店主・徳永さんが作るハンドメイドのバッグや雑貨を販売していましたが、もともと好きだったというアンティークに徐々にシフト。現在はフランスアンティークと徳永さんがアレンジを手がけるドライフラワーや生花を取り扱っています。

店内には食器やカトラリー、ガラス製品、リネン、レースなど、時を経た味わいをもつ商品が数多く並んでいます。以前は徳永さん自身がフランスで買い付けを行っていましたが、ここ数年は渡航が難しく、現地のディーラーを通してさまざまなアイテムが届けられています。

最近、特に人気が高いのはフランスのアンティーク食器です。「Chandelle」で取り扱うもの多くは約100年前頃の白地にレリーフが施されたものや花や植物などの柄が転写されたものが中心。実際に使ったり、飾ったりして楽しむ方が多いようです。「決して安いものではないのですが“本当に好きなものを大切に”という方が増えているのでしょうね。私もよく使っていますが、アンティークの器は気持ちを豊かにしてくれますよ」と徳永さん。

そのほかにオブジェやアクセサリーなどのアンティーク雑貨も豊富。ディスプレイの仕方も素敵なので、自宅に飾る際の参考になります。

徳永さんがアレンジを手がけるドライフラワーのリースやスワッグも店内を彩ります。ドライフラワーの落ち着いた色味はアンティークによく合いますね。

ドライフラワーはもちろん、生花のブーケやアレンジメントもオーダー可能です。ものづくりが好きという徳永さんのセンス溢れる作品は贈り物にも人気です。

県内各地で行われる蚤の市などのイベントにも参加されていますが、充実の商品を一度に見られるのは店舗ならでは。のんびりとした空気のなか、フランスアンティークの世界を楽しんでみてください。

●Chandelle(シャンデル)

住所:久留米市山本町豊田216-8
電話:080-5803-0457
営業:12:00~17:00
定休日:木・日曜
アクセス:西鉄バス「放光寺」バス停より徒歩4分、「太郎原」バス停より徒歩9分
ホームページ: https://chandelle.thebase.in/
Instagram: @chandelle224

※記載している情報は2022年6月のものです。営業時間や定休日、価格は変更になる可能性があります。価格は特別な記載がない限り、税込みで表記しています。

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