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ブラジレイロ<レトロ喫茶の名物ランチ>(1)

ブラジレイロ<レトロ喫茶の名物ランチ>(1)

若者から年配の方まで、多くの人が集う昔ながらの喫茶店。コーヒーやスイーツなどの喫茶メニューだけでなく、しっかりとした食事を提供しているお店も少なくありません。今回は、レトロな空間で味わう、喫茶店の名物ランチを紹介します。全3回の第1回は福岡市店屋町「ブラジレイロ」です。

福岡最古の喫茶店で味わうメンチカツ

福岡の喫茶文化を語る上で欠かせないお店といえば店屋町の「ブラジレイロ」です。1934(昭和9)年に、ブラジル サンパウロ州のコーヒー局がブラジルコーヒーを広める目的で福岡市東中洲に「ブラジレイロ」を開店。本場のコーヒーや洋食は時の文化人たちを魅了しました。「ブラジレイロ」という店名の意味は、ブラジルの公用語・ポルトガル語で「男性のブラジル人」。ちなみに女性は「ブラジレイラ」というそうです。

その後、戦時を経て1946(昭和21)年に奥の堂に移転、1951(昭和26)年に現在の店屋町に移転して以来、この場所で歴史を刻んでいます。そして創業当時から変わらず、自家焙煎のコーヒーと洋食が世代を超えた多くの人々に愛されています。

代表的なメニューは「ミンチカツレツ」(1,400円)。メンチカツにライス、サラダ、デミタスサイズのマイルドブレンドコーヒーが付きます。両端がキュッとすぼんだメンチカツはひと目でブラジレイロのものとわかるほど特徴的。当初は俵型だったのですが、現在の料理長がつくりやすさを追求していくうちにこの形になっていったそうです。1日15食限定、予約で売り切れることが多い人気のメニューです。

以前は牛・豚ミンチを使っていたそうですが、ヘルシー志向の流れに合わせて現在は鶏・豚のミンチを使用。ぎゅっとうま味が詰まったメンチカツとデミグラスソースの相性の良さは言うまでもありません。端っこのカリッと香ばしい部分の食感もよく、ボリューム満点のミンチカツレツ2個があっという間になくなるほどのおいしさです。付け合わせの野菜も一つひとつ丁寧に調理されていて、大切に食べたくなる味わいでした。

洋食メニューはそのほかに、「オムレツライス」(1,050円~)や「ドライカレー」(1,100円)、「ハンブルグステーキ」(1,400円)などがあります。

「ブラジレイロ」のコーヒーにはブレンドだけで6種があり、洋食メニューのセットコーヒーは酸味と苦味のバランスがいい「マイルドブレンド」です。忙しい時間帯は注文時に生クリームの有無を聞かれますが、落ち着いている時間帯は別添えで提供。最初はブラックで、途中でこだわりのホイップクリームを入れてまろやかな味わいを楽しむこのスタイルも、福岡の喫茶文化のひとつです。デミタスコーヒーのカップに描かれたブラジルから飛び出してくるコーヒーカップのロゴも味わい深いですね。

コーヒーはすべて自家焙煎です。店主のご自宅には長年使用している国産の10kg焙煎機があり、使用量の多いマイルドブレンドやクラシックブレンドを焙煎。店内にも1kg焙煎機があり、小ロットのコーヒー豆はここで焙煎されています。焙煎が始まると店内は香ばしい香りに包まれ、喫茶店の情緒たっぷりに。

店頭では、コーヒー豆、ドリップバッグ、ロゴ入りのカップやコーヒー缶などを販売。自宅で気軽にカフェオレを楽しめる「ブラウナーシロップ」も人気の商品です。

1階はカウンター席が中心、2階はテーブル席です。取材時もひっきりなしに来店があるほど幅広い世代から人気を集める「ブラジレイロ」。これからもずっと変わらず続いて欲しいお店のひとつです。

●ブラジレイロ

住所:福岡市博多区店屋町1-20
電話:092-271-0021
営業:10:00~19:00(OS18:30)
定休日:日曜、祝日
アクセス:西鉄バス「呉服町」バス停すぐ
ホームページ: https://brasileiro.base.shop/
Instagram: @cafebrasileiro1934

※記載している情報は2022年11月のものです。営業時間や定休日、価格は変更になる可能性があります。価格は特別な記載がない限り、税込みで表記しています。

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