一般的にうなぎ店というと敷居が高い印象ですが、そのイメージを変えるお店「愛とうなぎ」が2020年12月にオープンしました。

可愛いロゴと店名が目を引くインパクトのある外観。荒戸にある「鮨料理 一高（いちたか）」の大将・木宮一洋さんが手がけるうなぎ店「愛とうなぎ」です。

コロナが蔓延し始めた頃、何かできることはないかと考えた木宮さん。仕出しの経験を活かし、“すし屋が本気で考えるお弁当”としてのり弁やあじフライ弁当などを提供し、一部は医療関係者や宅配業者などに差し入れていました。さまざまなお弁当のなかでも、多くの人によろこばれたのがうなぎ。木宮さんは寿司がもつ魅力とはまた異なるうなぎのエネルギーを感じたそうです。そこで「うなぎを通して愛と元気を届けよう」とこちらのお店をオープンしました。

うなぎは鹿児島県産のものが中心で、一般的なものよりも大きいものが選ばれています。カウンター席の隣に焼き場があり、焼いている様子を見られるのも楽しいですね。火が通るにつれおいしそうな脂が出てきて、見るからにおいしそうなツヤツヤのうなぎに。炭火の火力に加え、脂の熱で身を焼くことを「己焼き」というそうですよ。タレに付けて焼くさらに香ばしい香りが店中に漂い、期待が高まります。タレには国産原料、天然醸造純正醤油にこだわる「梶田商店」の醤油が使われています。

ごはんは有機栽培の佐賀県産「ゆめしずく」を使用して、南部鉄器の土鍋で炊き上げます。高級炊飯器や土鍋などいろいろ試した結果、南部鉄器で炊いたごはんが一番おいしかったそうです。15分ほどで炊きあがるので、炊き立てのごはんをいただけます。

「うな丼 松（4切れ）」（3,850円）に、トッピングの「いくら+山芋とろろ」（990円）を追加しました。オリジナルで作られた有田焼の赤い丼に盛られたうなぎはますますおいしそう。うな丼は「松」のほかに「竹（5切れ）」（4,180円）、「梅（6切れ）」（4,510円）なども用意されています。「松竹梅の順番が逆？」と思いましたが、宮崎で50年以上続く、大将の実家の寿司店から引き継いでいるものです。「父曰く『梅はうめ～！』だそうです（笑）」と大将。

蒲焼きのほかに、白焼き、黄金焼き（醤油）も選ぶことができ、「1本（8切れ）」（5,170円）や「1.5本（12切れ）」（7,150円）を注文した時は2種類を選ぶこともできます。

トッピングのいくらと山芋とろろを加えればビジュアルも抜群！

ふっくら焼けた身とカリッとした皮、口の中に広がる炭火の香ばしい香りとうなぎの芳醇な味わい。一口味わえば、大将がめざす「愛と元気を届けるうなぎ」のパワーをきっと感じられるはずです。粗めにすりおろした山芋とろろの食感やいくらのアクセントも絶妙です。卓上にあるオーガニックの山椒をかけて味わいの変化を楽しむのもおすすめです。

ごはんのお代わりは1杯目は無料です。さらに、リクエストすればごはんのお焦げもサービス！かつお出汁を有機ほうじ茶で割ったアツアツのお茶漬け出汁も用意されています。うなぎを残しておき、うな茶漬けにするのも、生姜の味噌漬けやわさびをのせてさっぱりと味わうのもいいですね。

幅広い世代の方が来店し、お子さん連れも多いそう。カウンターの後ろの壁には子どもたちが描いたかわいい絵も。子ども連れの方には、子ども用にタレをかけたごはんとみそ汁を無料で提供してもらえるそうです。

店構えはカジュアルでありながら、こだわりや味わいは一流。おなかも心も満たされるうなぎ店でした。