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【熊本】予祝<優しい灯りに包まれる冬の黒川温泉>(3)

【熊本】予祝<優しい灯りに包まれる冬の黒川温泉>(3)

温泉が恋しくなるこの時期に、自然に囲まれた静かな温泉郷・黒川温泉(熊本県)を訪れませんか。天神・博多から西鉄高速バスに乗って気軽に訪れることができ、徒歩で温泉街の散策も楽しめます。寒い季節だけの灯りのイベントや新しく登場したレストラン、リニューアルしたお宿など話題豊富な黒川温泉をご紹介します。全4回の第3回は「予祝」です。

地元で育ったお米や野菜が主役、しみじみおいしい里の味

黒川温泉の旅館のなかで最も長い約300年の歴史をもつ「歴史の宿 御客屋」。江戸時代、肥後細川藩士が参勤交代の際に立ち寄っていたと聞くと歴史の深さを感じます。創業当時から現在に至るまで、農業と宿を営む“半農半宿”の旅館として知られ、地元の食材を使用した料理によるおもてなしが評判です。

「御客屋」は黒川温泉街で飲食店も手がけています。あか牛料理を楽しめるカフェレストラン「わろく屋」、そして2023年9月には「わろく屋」の2階に「予祝(よしゅく)」がオープンしました。店名の“予祝”とは、そうありたいと思う未来をあらかじめ祝うことで、現実へ引き寄せるという考え方で、「阿蘇神社」では豊作を祈る神事として行われているそうです。「ここが人々の縁を結ぶ場となり、よい未来へと繋がるようにという思いを込めてお店を開きました」と「御客屋」の女将・橋本栄子さん。

「予祝」は「御客屋」と同様に、自家栽培のお米や野菜をはじめ、地元の食材を使った料理を提供。特に“お米をおいしく食べる”ことにこだわった朝食を中心に、食事を楽しむことができます。

明治期の古民家を移築した建物の2階に位置し、窓側の席からは山々の緑や田の原川など黒川温泉らしい風景を眺められます。

「ご縁むすび膳」(2,750円 ※ホームページから要予約、9:30~、11:00~の2部制)。自家農園で収穫した季節の野菜や地元の食材をふんだんに使った黒川の恵みを存分に感じられるお膳です。無添加生味噌を使ったみそ汁に入った椎茸も「御客屋」の山で育ったものだそう。すべてが丁寧に手作りされた一品です。

そしてこちらの主役は土鍋ごはん。自家栽培のお米「あきげしき」を使用し、滋賀県「一志郎窯」の土鍋で研ぎ方から火加減、蒸らしまですべてにこだわり抜いて炊きあがったお米はふっくらツヤツヤで見るからにおいしそうです。

手の中で優しく転がしながら形作られる俵型のおむすび。熱々のごはんを結ぶことで力を入れなくても崩れないおむすびになるそうです。

口に入れるとほろっと崩れる絶妙の結び加減のおむすび。天草の天然塩がごはんの甘さを引き立てています。“お米をおいしく食べる”という「予祝」のコンセプトを体現したシンプルなおむすびはしみじみとおいしく、気持ちがほっとする味わいでした。

高森町の湧水で育った「カルデラ鱒」の醤油麹焼き、地元の名人が漬けた漬物など、ごはんのお供一つひとつがこだわりに満ちていて、大切に食べたくなる味わいです。

窓の外の風景を見ながら、心静かに贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。9:30~、11:00~の予約制なので、宿泊した際の朝ごはんや、ちょっと早めのお昼ごはんにぴったりです。

半個室になった席もあり、落ち着いて食事を楽しめます。朝食の提供が終了したら、お昼は米粉を使ったうどん(950円~)をいただくこともできます。

外部の料理人によるイベントなどもこれから行っていく予定があるとのこと。ますます黒川の食の楽しみが充実しそうですね。

●予祝(よしゅく)

住所:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6600-1 2階
電話:0967-44-0454(御客屋)
営業:朝食9:30~、11:00~(要予約)、ランチ 朝食終了後~16:00
定休日:月~木曜
アクセス:西鉄高速バス「黒川温泉」バス停より徒歩3分
ホームページ: https://yosyuku-kurokawa.jp/
Instagram: @yosyuku_okyakuya

※記載している情報は2024年2月のものです。営業時間や定休日、価格は変更になる可能性があります。価格は特別な記載がない限り、税込みで表記しています。

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