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【福岡】松下記念館<福岡・夏のレトロ喫茶めぐり>(3)

【福岡】松下記念館<福岡・夏のレトロ喫茶めぐり>(3)

今再び注目を集めているレトロ喫茶。暑い夏は、しっとりノスタルジックな空間で冷たいデザートやドリンクを味わいませんか?懐かしさ漂う固めのプリンから、果物のおいしさ弾けるフルーツパンチ、涼やかなブルースカイフロートなど、老舗喫茶の逸品をご紹介します。全3回の第3回は福岡市「松下記念館」です。

書斎のような空間で味わう、ブルースカイフロート

明治通り沿い、赤坂交差点のそばで趣ある佇まいをみせるのは1974年創業の「松下記念館」。マスターの松下壮一さんと奥様の智子さん、娘さんの3人で営む老舗喫茶です。

「お店を出した記念に」という意味合いから「松下記念館」と名付けたそうで、かつては店の奥でフォトスタジオを営んでいたこともありました。レンガ造りの外壁に蔦が絡まる外観にも心惹かれます。

店内へ足を踏み入れると、外の賑やかさが嘘のよう。書斎をイメージしてデザインしたという店内はオーセンティックなバーのようでもあり、静かで落ち着いた大人の世界が広がります。マスターの松下さんは愛煙家で店内は全席喫煙OK。そのため、20歳未満の入店は不可となっています。

カウンターの奥にある造り付けの本棚や「フロアクロック」と呼ばれる振り子式の置き時計、飾られた絵画や旧博多駅にあった「ニュー博多ホテル」のダイニングレストランから譲り受けたという低いアームチェアもすてきで、店主夫妻のセンスの良さを感じます。入口のそばにはピンク色の公衆電話ボックスまであり、こちらもいまだ現役というから驚きです。

注文ごとに豆を挽き、丁寧に淹れるコーヒーはネルドリップ式。「老舗喫茶というとヨーロピアンやストロングといった深煎りのイメージの方も多いかもしれませんが、もっと昔は浅煎りの方が主流でした。それに倣い、うちのオリジナルブレンドも昔ながらの浅煎りです」と松下さん。

そう言って出していただいた「オリジナルブレンド」(550円)は、この空間にぴったりの上品な味わい。豊かな香りとコクの後にまろやかな酸味が広がります。

また、暑い日にはバニラアイスクリームを添えた「ブルースカイフロート」(650円)もおすすめ。青空や海を思わせるブルーがなんとも涼しげでフォトジェニックです。

メニューはコーヒーがメインですが、サンドイッチやケーキも用意されていて、取材時には「チーズケーキ」(500円)をいただきました。ベイクドチーズとレアチーズの2種類が層になったケーキで、しっとりなめらかな口溶けがたまりません。

メニューの写真はすべて松下さんが撮影したものだそうで、ジン、コアントローといった洋酒を使うアレンジコーヒーが多彩に揃うのも「松下記念館」の魅力。ブランデーに青い炎を灯してフランベする「カフェ・ロワイヤル」など、コーヒーの新たな楽しみに出合えます。

●松下記念館

住所:福岡市中央区赤坂1-10-16
電話:092-712-8255
営業:8:00頃〜20:00頃、土曜〜18:00頃
定休日:日曜
アクセス:西鉄バス「赤坂門」バス停すぐ、「法務局前」バス停より徒歩4分
Instagram:なし

※記載している情報は2024年7月のものです。営業時間や定休日、価格は変更になる可能性があります。価格は特別な記載がない限り、税込みで表記しています。

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