福岡市長丘の住宅街に位置する「サイラー」はオーストリア菓子とパンのお店です。お菓子やパンのおいしさに定評があり、地域で長く愛されていますが、最近は地元の人々のみならず若い世代や旅行者も多く訪れ、連日賑わいを見せています。

天神から西鉄バスに乗って約30分。「サイラー」のオーナーはオーストリア出身のアドルフ・サイラーさん。オーストリアで1913年からパン業を営む一家に生まれ、ご自身も15歳でパン職人になったそう。来日後、福岡の洋菓子店で働いたのち、オーストリアの伝統的な食文化を伝えたいという思いのもと、この地に1994年に「サイラー」をオープン。来年30周年を迎える人気店となっています。

客足が絶えない店内には、オーストリアのケーキや焼き菓子、パンなどがずらりと並びます。

パンは、プレッツェルやカイザーセンメルなど、オーストリアで広く親しまれているものを中心に毎日80種ほどが用意されています。店頭のパンやケーキはテイクアウトのほか、併設のカフェで楽しむことができます。

ベーカリーもカフェも朝7：00にオープン。モーニング限定メニューはないものの、朝食におすすめのサンドイッチやスープなどが用意されています。

「パストラミサンド」（480円）。クロワッサンをベースにプレッツェルの製法を取り入れたパン「ラウゲンブッターキップフェル」にたっぷりのパストラミビーフやアボカド、レタス、赤玉ネギなど挟んだサンドイッチです。プレッツェル製法ならではの香ばしい風味がたまりません。イートイン、テイクアウトどちらも可能です。

「グーラッシュズッペ」（491円）は、オーストリアの定番スープです。柔らかく煮込んだ牛スネ肉入りのトマトスープにパプリカの風味をプラス。ジャガイモなど具沢山で食べ応えがあります。通常は「カイザーセンメル」が1つ付きますが、この日は売切れだったのでプレッツェル生地の塩味パン「ラウゲンシュタンゲル」が添えられていました。

そのほかにもパストラミやザワークラウトをサンドした「ルーベンサンド」、パンにカレー 風味の赤タマネギとジューシーなソーセージを挟んだ「ボースナ」など、オーストリアらしいメニューを楽しむことができます。

カフェにはこれからの季節に最適なテラス席があり、3つのテーブルが用意されています。

美しい装飾が施された店内のカフェスペース。オーストリアの雰囲気をより楽しめるようにと、インテリアや外装の資材はオーストリアから取り寄せたものを使っているそうです。

随所にオーストリアを感じられる装飾が施されているので、天井や扉などさまざまな場所に目を向けてみてください。

暖かい日が多くなり、そろそろアイスクリームが恋しくなる季節ですね。手作りのアイスクリームも人気なのでぜひお試しを。

どれを食べてもおいしいパンやお菓子、心地よい接客など、一度訪れると人気の理由がわかるはず。ちょっと足をのばして朝から優雅な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。