近年は全国的におむすびの専門店が増えていますが、福岡でおむすびといえば、やっぱりここ「けごむす」。薬院にある日本酒と鮮魚のお店「39酒場魚平」が手掛ける、「おむすびと日本酒」をテーマにした一軒です。

今回紹介するのは、2022年に6月にオープンした「三九酒場けごむす 天神店」。警固公園に隣接するビルの一角、西鉄天神大牟田線「西鉄福岡（天神）」駅の南口を出てすぐの場所にあり、アクセスも抜群です。

お店は通し営業で、店内はカウンターのみのスタンディングスタイル。昼はランチや昼飲みのお客さんが訪れ、夜は仕事帰りの一杯から〆のおむすびを求めるお客さんで賑わいをみせています。「ちょうどご飯が炊き上がりましたよ！ぜひ、できたてをどうぞ」と、店長の仲西淳規さんが笑顔で迎えてくれました。

「けごむす」で使用するお米は、筑紫野市山口にある自社の田んぼ「39FARM」で育てる「蓮華米（夢つくし）」。1日に使用する分を毎日近隣にある事務所で精米し、万古焼や小石原焼の土鍋で炊き上げるこだわりようです。炊くときに炭酸水を用いるのもポイント！土鍋の遠赤外線効果と炭酸水の泡の力で、一粒一粒がぷっくり・もちもちに仕上がるのだとか。

ちなみに「蓮華米」という名前は、レンゲの種を蒔き、満開になった花を田植え前にそのまま土とともに耕す「レンゲ農法」で作ることに由来します。栄養満点の土壌では化学肥料が不要で、ほぼ農薬を使わない健康的なお⽶を育てられるそうです。

「田植えから稲刈りまでスタッフ全員で農作業を行っているので愛情もたっぷり。特に、毎年9月中旬から10月上旬に登場する新米のツヤ・風味・香り・甘味は格別ですよ。お米を潰さないよう、注文ごとにふんわりと握ってお出ししています」。そう話す仲西さんの表情からも、味への自信が伝わってきます。

取材時は2023年10月にリニューアルし、さらにパワーアップしたというランチメニューをいただきました。11：00から13：00まで提供のランチメニューは3種類あり、500円からとリーズナブルです。写真は3つの厳選おむすびと、選べるおかず2品が付いた「けごむす名物セット」（700円）。追加でお味噌汁（100円）も注文しました。お味噌汁には九州産や国産の減農薬大豆とニガリだけで作られる「荒木豆腐店」のお豆腐が入っています。

写真からもお米のみずみずしさともっちり感が伝わるでしょうか？厳選おむすびの具材は「蓮華米」の米ぬかで作る「米ぬか味噌」、ピリッと辛めに味付けている「明太子」、燻製液に漬けるところから自家製し炭火で焼いた「銀鮭」。有明産の初摘み海苔の香りも相まって、何とも幸せなおいしさです。

また、11：00から19：00までは、ドリンク2杯とおつまみ2品が選べる「選べるせんべろセット」（1,000円）も用意されています。山の壽酒造で醸造されている「ほたる」も選べますよ。こちらは「39FARM」の蓮華米100%で造られる日本酒で、「けごむす」をはじめとした「39ダイニング」グループでしか飲めない、ふくよかな味わいのお酒です。

お昼の単品おむすびは12種類あり、濃厚な味がとろける「卵黄醤油」（220円）も人気です。

17：00からは一品料理に加え、おむすびの種類も少し増えます。新鮮なサバのおいしさが弾ける「ごま鯖」（写真）や「焼きかに味噌」「炭焼きおむすび」（各250円）といった、アテや〆にぴったりの具材も見逃せません。

さらに店頭では、「蓮華米」の玄米で作る「酵素玄米」を使った「結飯（むすびめし）」（1個280円）も販売しています。「酵素玄米」とは、玄米と小豆、塩を一緒に炊いて3日ほど熟成させた玄米のことで、食感はまるでもち米のよう！

「鯖めんたい」や「味玉焼豚」「海老天むす」など8種類が揃い、どれも具だくさんで食べごたえも満点です。天気のいい日は、テイクアウトして警固公園で食べるのも気持ちがいいですね。天神の真ん中で、ぜひおいしいお米を楽しんでください。